そらにこがれる
この場所から見上げる空は、いつも青い。そしてその色は、あの人を思い出させる。いつもと変わらない、吸い込まれるような青を見上げて、ひとつため息をついた。
今日も師匠は帰ってこない。あの日から、もう一週間は過ぎていた。とうの昔に待ちくたびれているけれど、これが師匠の令なのだから仕方ない。
きっと、ツルギさんとの話し合いが拗れているのだろう。もしかしたら霧隠れの里まで戻っているのかもしれない。急なことだから、私に連絡する間もなかったんだ。
何度も考えた待ちぼうけの理由は、筋が通っているようで通っていなかった。その矛盾に目を背けているうちに、青空は夕暮れへと変わっていく。
今日も、帰ってこなかった。
完全に日が沈むまでと心に決め、残された時間いっぱいに師匠のことを考える。
理由なんてどうでもいい。私は師匠を待ち続ける。やっと弟子になれたんだ。その師匠が待てと言うのなら、私はいつまでだって待ち続けよう。
日が沈み、夜が訪れる。いつしか朝日が昇り、空は青に包まれる。
いつか訪れる再会を夢見て、私は空を見上げる。同じような毎日を、ただ幾度も繰り返す。
木ノ葉の里が何者かに襲撃されたと聞いたのは、そんな冬のことだった。