わたしのいちばんすきなひと

 ひとりぼっちには慣れていた。小さい頃から、パパもママも仕事が忙しくて、家に独りでお留守番をしていることが多かったから。だから、ひとりぼっちを寂しいと思ったことは、ほとんどない。あたしにとって、家の鍵を持ち歩くことは当たり前で、「ただいま」の返事が聞こえないことも、日常だったから。
 それだから、今日も平気だと思っていた。けれど、家でお留守番をしているときのひとりぼっちと、みんなといるときのひとりぼっちは違う。周りを見渡せば、みんな、パパやママと一緒に座っていて、楽しそうに笑っていた。ソファーに座って、俯いているのなんて、あたしくらいだ。ただ座っているだけなのに、自分にだけスポットライトが当てられているように、居心地が悪い。歪んだ顔を見られたくなくて、持っていた楽譜で顔を隠した。目の前に、小さな音符が散らばっていく。

「ごめんね、しおり。急に商店街の会議の予定が入っちゃって、どうしても発表会に行けないんだよ。あとで、頑張ったご褒美に、しおりの好きなケーキ、いくらでも買ってあげるから、我慢してくれないかな?おじいちゃん、会議室からホールに届くように、一生懸命応援してるから!」

 朝、家を出る前に、もくじぃに言われた言葉を思い出す。あれだけ見に来てくれるって約束したのに、簡単にそれを破るなんて、やっぱり大人は嘘つきだ。パパもママも、結局仕事を休んでくれなかった。嘘は嫌いだけど、「商店街のカイギ」はもっと嫌いだ。何も今日に限って、もくじぃを連れていかなくてもいいじゃない。
 申し訳なさそうに眉を垂らすもくじぃに、声を荒げて抗議したかったけれど、あたしだってもう十歳だ。子供じゃないんだから、「大人のジジョウ」ってやつぐらい、理解している。だから、平気な振りをして、独りでここまで、電車に乗って歩いてきた。フルートのケースは重かったけれど、引きずるわけにはいかない。パパもママも、もくじぃさえ見に来てくれないあたしの発表会の、唯一の相棒だ。

「これじゃあ、誰に向けて発表するのか、わからないわよ」

 明日は、今まで頑張った成果を、お家の人に見てもらいましょうね!なんて、先生は言っていたけれど、誰も見に来てくれない家の子供は、どんな気持ちで、曲を吹けばいいんだろう。会場が開くまでは、あと三十分だ。それまで、このひとりぼっちの空気に、あたしは耐えなければいけない。周りから聞こえる楽しそうな声がうるさかった。誰もそんなことは話していないはずなのに、みんながあたしを、バカにしているような気がする。

「パパも、ママも、だいっきらい。もくじぃはもっと嫌い。嘘をついちゃいけません!なんて、あたしには言うのに、自分はいっつも嘘をついて。どうせ来てくれないなら、最初からそう言えばいいのに。この前の授業参観だって、あたしの家だけ、誰も来なかったんだから」

 独りでぽつんと座っていると、今までにあった悲しいことがたくさん浮かんできて、涙が出そうになった。でも、こんな場所で、発表会の前に泣くわけにはいかない。必死で唇を噛みしめて、楽譜を目一杯の力で掴んだ。端の方が縒れて、五線がくしゃくしゃに歪んでいく。これじゃあ、本番の時に、上手く音符が読めなくなる。

「しおりちゃーん!!」

 我慢の糸が切れて、いよいよ泣いてしまいそうな時に、遠くであたしを呼ぶ声がした。驚いて顔を上げると、大きなもじゃもじゃ頭が、見たことがないくらい不格好な走り方をして、こちらに駆け寄ってきた。見慣れないその姿に、大きく口を開ける。

「けっさく、くん?」

 あれは確か、最近もくじぃの所でアルバイトを始めた、大学生のお兄さんだ。前にはんせい堂に行った時に、もくじぃから紹介された。「傑作くんって呼んでね」なんて、優しく話しかけてくれたけれど、実際はほとんど話したことはなかった。大学生のお兄さんなんて、どんな人が来るんだろうって、はじめは期待したけれど、実際に会った傑作くんは、髪型はヘンテコだし、背は大きすぎるし、正直に言うと、ちょっぴり苦手だった。だからこそ、どうして傑作くんがここにいるのか、あたしにはわからなかった。

「はぁっ、はぁっ、あー走った!!まだ発表会、始まってない?」
「う、うん……」
「良かったー!!もう、もくじぃから連絡をもらって、大学から急いでここまで来たんだよ!こんなに走ったの、久しぶりだぁ」

 汗を拭きながら、あたしの隣に座った傑作くんは、何がそんなに楽しいのか、満面の笑顔を浮かべていた。そんな傑作くんに身構えながら、疑問を口にする。

「傑作くん、どうしてここに?大学は?」
「ん?土曜日も講義があったけれど、今日はお休み。なんてったって、しおりちゃんの発表会があるんだもん!勉強なんてしてらんないよ!」

 へらへらと暢気に笑う傑作くんに、大学生って自由だなって、羨ましくなる。きっと、朝イチで「カイギ」に呼び出されたり、突然の出張で、海外に行ったりすることなんてないんだろう。
 微妙な顔で傑作くんを見つめながら、ひとりぼっちじゃなくなったことに、少しだけ安堵していた。あれほど気になっていた周りの目が、一気に気にならなくなる。傑作くんは大きいし、髪型も目立つけれど、あたしの知り合いだとわかったら、みんなこちらを見るのをやめた。もしかしたら、傑作くんは、あたしのお兄さんだと思われているのかもしれない。

「傑作くん、どうしてここに来てくれたの?」
「だから、しおりちゃんの発表会があるって、もくじぃが――」
「それはわかったけど、バイト先の孫の発表会なんて、普通は聞きに来たりしないわよ。それも、学校を休んでまで。まさか、もくじぃに脅されたの?発表会に行かないと、バイトクビにするぞ!って」

 あたしがもくじぃの口真似をして言うと、傑作くんは豪快に笑って首を振った。汗が引いたのか、その顔は、いつもの爽やかな笑顔に戻っている。

「そんなこと言われてないよ。ぼくも、一度しおりちゃんのフルートを聴いてみたかったし、それに……せっかくの発表会なのに、知り合いが誰も聞きに来ないなんて、寂しいだろ?しおりちゃんだって、今日のために、たくさん練習してきたはずなのに」

 優しく微笑む顔に、さっきまでの様子を盗み見られていたのかと思って、思わず顔を逸らす。十歳にもなって、ひとりぼっちが寂しくて泣いていたなんて、笑われるに決まっている。それが嫌で、わざと顰めっ面を作って、傑作くんを睨んだ。くしゃくしゃになった楽譜がバレないように、慌てて皺を伸ばす。

「別に、寂しくなんてないわよ。子供じゃあるまいし」
「あ、じゃあぼく、来ない方が良かったかな」
「そ、そういうわけじゃ……」

 狼狽えるあたしに、傑作くんがおかしそうに笑う。その顔が、子供をからかう大人の表情そのもので、なんだか面白くなかった。ひとりぼっちで寂しかったのは事実だけれど、子供扱いされるほど、あたしは小さくない。それに、傑作くんとは、十歳くらいしか年が違わないはずだ。いくら大学生のお兄さんだからって、この扱い方は、なんだか腑に落ちない。

「それで、しおりちゃん。今日は何の曲を演奏するの?」

 膨れっ面をするあたしに気づいていないのか、傑作くんは相変わらず笑顔を浮かべたまま、あたしの顔を覗き込んだ。和やかな表情に、あたしも機嫌を直して、素直に楽譜を広げる。

「“恋はみずいろ”っていう曲よ。あたしの大好きな曲なの」
「わー!これ、昔バンドで弾いたことがあるよ。フルートの音色にも、合いそうな曲だね」

 歓声を上げながら楽譜を見つめる傑作くんに、きょとんと視線を向ける。あたしの聞き間違いでなければ、傑作くんは今、“バンド”と言っていたはずだ。

「傑作くんも、何か楽器が弾けるの?」
「うん。子供の頃から、ギターが大好きなんだ。高校生のときには、友達とバンドを組んで、いろんな曲を演奏したよ。この曲も、その時に弾いたんだ」

 懐かしむように目を細める傑作くんに、ギターを弾いている姿を想像してみる。普段のはんせい堂のエプロンを付けて、カビ臭い本を運んでいる様子からは、全く想像出来ない姿だった。でも、バンドを組んでいたぐらいなら、きっとものすごく上手なんだろう。へんてこだと思っていた傑作くんが、急に眩しく見えてくる。

「すごい!傑作くんって、ギターが上手なのね!家に帰ったら、あたしにも聴かせてよ!!」
「うん、いいよ。なんなら、しおりちゃんも一緒に演奏しようよ。ギターとフルートって、なかなか良い組み合わせだと思うんだ」

 思いがけない提案に、今度はあたしが歓声を上げる。誰かと一緒に楽器を演奏するなんて、音楽の授業以外では、初めてのことだ。しかも、ギターの音なんて、間近で聞いたことがない。ギターとフルートの協奏を思い浮かべて、わくわくと、返してもらった楽譜を抱きしめた。家に帰るのが、少しだけ楽しみになる。

「それにしても、しおりちゃんって強いんだね」
「え?」
「発表会だって言うから、もっと緊張していたと思ってたんだ。しおりちゃんはすごいね。ぼくなんか、人前で演奏するの、未だに緊張するよ」

 肩を竦めた傑作くんに、今日が発表会であることを思い出す。時計を見ると、開演時間まで、あと十分を切っていた。迫ってくる針に、ステージの明るさを思い出して、途端に心臓がうるさくなっていく。

「け、傑作くんのばかっ!そんなこというから、緊張してきちゃったじゃない!!」
「ええ!!ぼ、ぼくのせい!?」
「ああ、どうしよう。一カ所だけ、最後まで上手く吹けない所があったの。今日も間違えたら、あたし……」

 頭を抱えるあたしに、傑作くんも慌てたように口に手を当てた。それからしばらくの間、何かを考えるように首を曲げて、青ざめるあたしの顔をじっと見つめる。

「そうだ、あのおまじないなら……」

 視線を上げて独りごちた傑作くんは、こちらに向かって、ゆっくりと手を伸ばしてきた。突然掴まれた両手に、あたしはびっくりして楽譜を床に落としてしまう。傑作くんはそんなことには目もくれず、ぎゅっと、あたしの手の平を握った。

「け、けっさくくん……」

 男の人と手を繋ぐなんて、初めての経験だ。好きな男の子はたくさんいたけれど、どれもあたしの片思いで、デートだってしたことがない。大きな手の平は、あたしの手をすっぽりと包んでしまって、男の人って感じがした。手汗を掻いていないか心配だったけれど、傑作くんは表情ひとつ変えないで、小さな声で「大丈夫」と三回唱えた。それに合わせて、両手が上下に揺さぶられる。傑作くんの温かさが、手の平から伝わってきて、なんだか変な感じがした。けれど、さっきまで溢れていた不安が、嘘のように消え去っていく。

「はい。これでしおりちゃんは、絶対に失敗しないよ」
「傑作くん、これは……」
「昔、おばあちゃんから教えてもらったおまじない。ひとりじゃ出来ないけど、その分効果は絶大なんだ。しおりちゃんの晴れ舞台、楽しみにしてるから」

 傑作くんはそう言って、鞄からビデオカメラを出して微笑んだ。まさかの展開に、カメラを奪い取ろうと立ち上がるけれど、開演のブザーがなって、その動きを止められる。傑作くんは楽しそうに笑って、あたしの頭を優しく撫でた。傑作くんが触れた場所を手で押さえながら顔を見上げると、床に落ちていた楽譜とフルートを、あたしに差し出してくれる。

「頑張ってね、しおりちゃん。客席から、応援してるから」
「うん、ありがとう」
「終わったら、もくじぃに内緒で、アイス奢ってあげるよ」

 また、子供扱いして。人差し指を唇に当てる動作に、口を尖らせながら、微笑みを返した。傑作くんと離れることに名残惜しさを感じながら、先生に促されて、控え室に入っていく。最後に元いた場所を振り返ると、傑作くんはこちらを向いて、大きく手を振っていた。



「なーんてことも、あったわよね」

 ビデオカメラの中でフルートを吹く自分に、大きく息を吐いた。小さな体で、一生懸命音を奏でているけれど、その演奏はお世辞にも上手いとは言えない。それでも、吹き終わった後に、傑作くんは、大きな拍手をくれた。はしゃぎすぎて、ビデオの映像が、横に激しくブレているくらいだ。

「ぼくもよく覚えてるよ。このビデオ、後でもくじぃに見せたら、『せっかくのしおりの発表会なのに、揺れててよく見えない!!』って、怒られちゃったんだよね」
「あはは、まぁ、ここまで揺れてたらね……。でも、そんなに聞きたかったなら、ちゃんと会場にくれば良かったのよ」

 当時の寂しい気持ちを思いだして、拗ねるように唇を尖らせる。傑作くんは、そんなあたしに笑って、ビデオの中のあたしを覗き込んだ。吹き終わって安心したのか、ほっとした顔のあたしが、幕の後ろへはけていく様子が映っている。

「でも、よく吹けてるね。一回も間違わなかったんじゃない?」
「そう?下手すぎて、聞いてるだけで恥ずかしくなるわ。……でも、そうね。あの時の、傑作くんのおまじないが効いたのかも」

 おまじないのために握られた手を、目の前に掲げる。当時よりもだいぶ大きくなったけれど、まだ傑作くんには敵わない。きっと、今も変わらず、あたしの手をすっぽりと包んでしまうんだろう。

「おまじない?」
「傑作くん、覚えてないの?おばあちゃんから教えてもらったって、昔言ってたじゃない」

 両手を広げてアピールしたのに、傑作くんは何も覚えていないのか、眉間に皺を寄せて、首を傾げるだけだった。その動作に、あの時手が触れていたのを意識していたのは、自分だけだったのかと、途端に悲しくなる。
 そりゃあ、当時のあたしは小学生だし、どんなに大人っぽく振る舞っていたとしても、大学生の傑作くんから見れば、まだまだ子供だ。でも、あたしにとっては、初めて家族以外の男の人と、手を繋いだ瞬間だった。初恋とは違うけれど、特別な想いがあったことには変わりない。

「……あーあ、あの時は、ただの優しい年上のお兄さん、だったのになぁ」

 いつから、こんなに傑作くんのことを、好きになったのだろう。
 高校を卒業して、数年ぶりに再会した傑作くんは、相変わらずのもじゃもじゃ頭で、へんてこなままだった。けれど、優しいところも変わってなくて、昔のように「傑作くん」って呼んでも、嫌な顔ひとつしなかった。付き合いが長すぎて、家族のようになっているけれど、あたしはそうは思っていない。傑作くんは、あたしにとって憧れの人だし、大切な、片思いの相手だ。

「いつから、こんな風になっちゃったんだろう」
「しおりちゃん、今はぼくのこと、どう思っているの?」
「ええ!?」

 真顔でなんてことを聞くのかと、体を離して身構える。けれど、傑作くんに他意はないようで、純粋に、そのことを疑問に思っているようだった。
 これは、もしかしたら告白のチャンスかもと、咳払いをして、傑作くんに向き直る。あの発表会から、十年近くが経った。あたしはもう、子供じゃない。傑作くんの彼女になっても、おかしくない年齢のはずだ。

「そうね……。少なくとも、ただのお兄さんじゃなくなったわね。もっと上っていうか、レベルアップしたっていうか……」

 いざ告白しようとしても、はっきりと伝える勇気はなくて、はぐらかしながら、傑作くんをチラリと見る。さすがにバレてしまったかと、心臓が高鳴るけれど、傑作くんはあたしの言葉を聞いて、泣きそうに表情を崩した。その顔にぎょっとして、慌てて声をかける。

「け、傑作くん?」
「しおりちゃん、それはないよ……」
「え、そんな――」
「いくら年が離れてるからって、しおりちゃんにオジサンだと思われてたなんて、ショックだなぁ……。そりゃあ、ぼくだって三十を超えちゃったし、“お兄さん”って名乗るには、無理があるのかもしれないけど……。でも、オジサンはなぁ……」

 肩を落として、あからさまに落ち込む傑作くんに、少しでも心配した自分が馬鹿だと思った。思えば、傑作くんは、昔から鈍感で、女の子の気持ちなんて、これっぽっちも理解してなかった。だから、あたしの手も簡単に握ってしまえるし、成長して、大人のオンナになって会いに来たのに、あたしを見て顔色ひとつ変えなかった。傑作くんに色恋ごとを期待するだけ、時間の無駄だ。

「もう!違うわよ!傑作くんのばかっ!!」
「え?」
「相変わらず鈍感なんだから。そんなことじゃ、いつまで経っても結婚出来ないわよ?」

 目の前にこんなに貴方を想っている女の子がいるのに、それに気がつかないなんて。
 心の中でそう付け加えながら、なんで怒られているのかわかっていなそうな傑作くんの手を、ぎゅっと握る。おまじないをするわけじゃないけれど、懐かしいビデオを見ていて、ひとつだけ思い出したことがあったのだ。にぶちんな傑作くんには腹が立つけれど、これだけは、今のうちに伝えておかなきゃいけない。

「傑作くん、ありがとう。あの時、発表会に来てくれて」
「しおりちゃん?」
「あたし、本当は寂しかったの。パパとママも、もくじぃも見に来てくれなくて。あの時は言えなかったけれど、傑作くんが来てくれて、本当に嬉しかった」

 力を込めたあたしの手を、傑作くんが黙って見つめる。それから、その口元が緩やかに釣り上がって、あたしの手を握り返してくれた。あの時と同じ、優しい笑顔が、あたしを見つめる。手を繋ぎながら見た表情に、頬が赤くなっていくのを感じた。それがバレないように口元を引き締めながら、弧を描く瞳を見つめ返した。

「しおりちゃん、ホントにおっきくなったね」
「え?」
「思い出したよ、あの時のおまじない。あんなに小さかったのにな~。何だかしおりちゃんの親になった気分」

 感慨深げに手を揺らす傑作くんに、漫画みたいにガックリと肩を落とす。フラグクラッシャーって、きっと傑作くんみたいな人を言うんだろう。泣きたい気持ちを抑えて、もくじぃのように、ぐすんと小さく呟く。

「もう……いい加減心が折れちゃいそう」
「しおりちゃん?どうかしたの?」
「どうもしないわ。納得いかないけれど、これが惚れた弱みってやつなのね。でも、あたしは絶対に諦めないから!」

 決意を新たに胸の前に掲げた握り拳で、傑作くんの胸元を軽く叩く。ぽかんと口を開ける傑作くんを置いてけぼりにして、立ち上がって背伸びをした。まだまだ恋は叶わないけれど、変わらない傑作くんとの距離が、とてつもなく愛おしかった。