それでも貴方が愛しい。
「いくら尾獣がいなくなったとはいえ、オレがビンゴブックに載る大罪人であることは変わりない。ツルギのいなくなった今、オレの無実を証明できる者はどこにもいないんだ。オレといれば、命の危険に晒されることは日常茶飯事だ。ホタル、それでもお前は……」「ウタカタ様、愚問ですよ」
そんなこと、今さら言われなくてもわかっている。それでもこうして傍にいるのは、私がウタカタ様を好きだから。好きなんて言葉じゃ軽く感じるくらい、心から愛しているから。
「私は何があってもウタカタ様の傍にいます。それは私が望んだこと。それに……ウタカタ様も、それを望んでいるでしょう?」
首に手を回して、ウタカタ様に口付けた。深く、深く。腰に回された腕を確認して、その密着をより深くする。
「んっ、ホタル」
「愛しています、ウタカタ様」
「……オレもだよ。愛してる、ホタル」
たとえどんな不幸に襲われたって、傍に貴方がいればそれでいい。だからウタカタ様、不安に溺れる暇があるなら、そのぶん私を愛してください。貴方がどんな悪魔だろうと、それでも私は貴方が愛しい。