嫌いじゃない

「ウタカタ様は、私のこと嫌いなんですか?」
「……なんでだ」
「だって、何度も頼んでいるのに、全然弟子にしてくれない」

 不安気に不満気に、ホタルはオレの目を見つめる。弟子をとる気はない。あんなことはもうまっぴらだ。
 だが、ホタルが嫌いかと言えばそうでもない。

「別に、嫌いじゃない」
「じゃあ、私を弟子に……」
「それとこれとは別だ」

 頬を膨らませる仕草は好きだ。弟子じゃなければ、ずっと傍にいてもいいんだけどな。




Thanks for 一青