まるで満月みたいな愛

 ふんわりと浮かぶしゃぼん玉は、どこへ消えていくのだろう。月の光は淡く揺らめく。

「ホタル」

 私を呼ウタカタ様の声が耳に届く。振り返ろうとすれば抱きしめられる身体。寒いはずの夜も、暖かい。

「ウタカタ様、今日は満月なんですよ」

 太陽の光を受けて光る月は、夜の主役。夜が明けてしまう前に、どうか2人を明るく照らして。

「満月はホタルに似ているな」
「え?」
「なんだか、優しい香りがする」

 まるで満月みたいな愛。貴方に包まれてみた月は、きっと一生忘れはしない。





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