貴方を見たくて、

 宙を舞うシャボン玉は美しい。縁側に座りながらそのひとつひとつを眺めるのが、私の好きな時間。

「またここにいたのか」
「ウタカタ師匠!お帰りなさい!!」
「ただいま、ホタル」

 小さなシャボンの中に現れた大きなシャボン玉。パチンと割れたそこから出てきたウタカタ様に抱きついて、お帰りなさいのキスをする。

「ホタルは本当にシャボン玉が好きだな」
「だって、シャボンは師匠の得意技ですもの」
「オレの術だから、好きなのか?」
「はい!」

 無数のシャボン玉に囲まれるとき、それはウタカタ様に寄り添っている感覚に似ている。シャボンを見つめるのが好きなのは、貴方に似ているから。





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