満月に煌めく指輪

 初めて貰ったプレゼントは、何度眺めても飽きなくて。ああ、これが恋人の証。
 照れながらぶっきらぼうに差し出された指輪を、薬指に嵌めて。ねぇ、ウタカタ様。これを選ぶのに、一体何時間かかったんですか?
 素直じゃない貴方のこと。宝石店の前で行ったり来たりする姿が目に浮かぶ。

「ありがとうございます、ウタカタ様」

 目一杯の笑顔でウタカタ様にお礼を言えば、ふんと一息、唇を尖らせるだけ。それでも全部伝わってる、ウタカタ様の気持ち。
 だっていつもはすぐに振りほどかれる腕も、今日は黙って抱きつかせてくれる。好きの気持ちを頬に押しつければ、ウタカタ様は真っ赤になって舌打ちした。





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