半永久的に続く運命の輪舞曲
異国の王女に捧げた輪舞曲ロンドが鳴り響く。どこか繊細な和音が溢れる旋律に、ホタルがうっとりとした様子で目を閉じた。「素敵な曲……誰が演奏しているんでしょう?」
「さあな……」
若くして命を落とした王女は、この曲を聴いて何を思うのか。儚い掛留音は、どこかホタルを想わせる。もの悲しい輪舞曲、繰り返される物語。今は亡き王女の踊ったパヴァーヌは、こんなに悲しい曲だったのか。
「ウタカタ様?どうかしましたか?」
「いや……」
唐突に、ホタルが目の前から消えてしまう気がした。強く握りしめた左手は、ずっとここに残ったままなのだろうか。
変わらず響く旋律に耳鳴りがした。恐ろしいほど不思議で、儚い曲。まるでそれは、ホタルのような。