確かに恋だった。
じっと空を見上げて、空を飛ぶ白い鳥を見つめた。あの鳥は、一体なんていう名前なんだろう。純白の白い翼。一瞬にして飛んでいってしまったけど、一体、あの鳥の名前は、「何見てるんだ?ホタル」
聞こえた声に、空から視線を落とす。私の膝の上に頭を乗せて、伸ばした手で私の頬に触れた。
「鳥がいたんです。とても、綺麗な鳥が。その名前が気になって」
「名前?」
「ええ」
この世のものに、名前があるのは当たり前。だとしたら、この気持ちにつける名前は
「ウタカタ様。私、あなたのことが大好きです」
「な、なんだよ急に……」
「大好きです」
微笑む私に、困った顔をしながらも口付けをくれたウタカタ様。この気持ちに名前があるなら、敬愛でも慕情でもなく、確かにこれは、恋だった。