朝寝坊

「ウタカタ様、朝ですよ!」

 お日様が燦々と輝く朝、ウタカタ様の寝ている布団を剥いで大声で叫ぶ。寝坊助なウタカタ様は、こんな時間なのにまだ寝ていて。

「ウタカタ様っ、もう朝ですよ!」
「んー……あと少し……」
「その台詞、何回目ですか?」

 剥いだ布団を、いそいそと戻そうとするウタカタ様を嗜め、もう1度布団を剥ごうとする。同時に引き込まれる布団の中。

「きゃっ……」
「……ホタル……」
「う、ウタカタ様」

 すっぽりとウタカタ様の腕に捕まって、もう身動きはとれそうにない。テーブルに並べた朝食を気にしながら、そっとウタカタ様の顔を見る。
 整った顔が幸せそうに微笑んでいて。無意識に撫でられる体に軽く見を捩った。私が離れようとすれば、強くなるウタカタ様の腕。

「……ま、いっか」

 寝坊助で甘えん坊なウタカタ様。これでも私の師匠ですか?そんなことを考えて笑って、ウタカタ様の胸に頬を付けて目を閉じた。