一生忘れられないくらい、強い痛みをください
私と、遁兵衛と、ナルトさん。
ウタカタ様の記憶は、その3人にしか残ってない。あとはみんな、自分勝手な名前を付けて、ウタカタ様を都合のいい器としか見ていない。
「大丈夫。ウタカタ様は、ちゃんといたよ」
優しく諭すのは、他でもない自分。1番ウタカタ様を覚えているはずのに、1番ウタカタ様が本当に存在したのか不安なの。シャボンのように、儚かった人。
「ウタカタ様、聞こえてますか」
貴方の記憶は、貴方の意思は、私が受け継ぎます。だから、お願い。貴方がいた証を私にください。なんでもいい。一生忘れられない傷を、私にください。
(あなたと出逢い過ごしてきた日々が全て幻だったと言うの)