見えない光、届かない想い


 ホタルはただ泣いていた。休む間もなく、寝ることも食べることもせずに、ただ泣いていた。


「ホタル」


 名前を呼んでも届かない。ホタルはただ泣いている。オレを想って泣いている。


「泣くなよ、頼むから」


 ホタルの涙は見たくない。それなのに、あの雫の原因はオレだなんて。


「泣くなよ、ホタル」


 どんなに訴えたところで、ホタルには届かない。ただ、ホタルは泣いているだけだった。オレを想って。





(光はすぐに消えてしまうように、オレもホタルの記憶から消えてしまいたい)





Thanks for 濁声