貴方の最期が、見えました
遠くでウタカタ様の声が聞こえた気がした。でも、そんなわけない。ウタカタ様は、私をおいていってしまったの。もう、2度と会えない。
「ウタカタ師匠」
まだまだたくさん、いろんなこと教えてほしかったけど、貴方の想い、ちゃんと届いているから、文句を言うのはやめておきます。最後まで、私のこと、考えていてくれたんですね。
「ずっと、見守っていてくださいね」
熱い苦しみが胸の奥で弾けた。刹那に降り注ぐ涙は、見なかったことにしてください。
(貴方を焼く渦はわたしまで届きましたよ、昔から孤独はお嫌いでしたものね、憎めない人)