貴方に包まれ、貴方に殺され


 ウタカタ様から教わったこと。そのひとつひとつを毎日反芻しながら生きてきた。 2度と帰ってこない私の師匠は、私に何を伝えたかったんだろう。遠く離れてもウタカタ様の存在を忘れないように、今日もまた、ウタカタ様のことを考える。


「ウタカタ様、今日は空が綺麗ですよ」


 狂っていると思われたっていい。私はずっと、ウタカタ様と生きていくの。声が聞こえなくても、姿が見えなくても、ウタカタ様は私の傍にいるんだから。


「ウタカタ様、今日の夕飯は何がいいですか?」





(わたしはあなたの素晴らしき世界観の中で瞬きながら消えていくの)





Thanks for 濁声