残った想いは君を傷つける

 落ちて行く。下に、下に。
 手を伸ばしても誰も掴んでくれなかった。重力に従い、ただひたすらに下に落ちて行く。


「……ホタル…………」


 小さく見えた淡い光を掴もうともがく。でも、光はどんどん遠くなっていって。オレはただ、落ちて行くだけで。


「オレは……まだ…………」

 未練が尾をひいて光に纏わりつく。それがホタルを苦しめるとは知らずに。




(いっそ、こびりつくこの想いも拭ってはくれないだろうか)





Thanks for 濁声