餡蜜以上のキスを

　甘い甘い餡蜜を、口いっぱいに頬張って

「おいしい！！」

　幸せそうな笑顔を見せてくれる。急に木ノ葉の里に行きたいと言われてしぶしぶ飛んできたが、わざわざ遠くまで来た甲斐があったな。

「ウタカタ様も、一口どうですか？」
「いや、オレはいい」

　おいしそうに餡蜜を食べるホタルの横で、オレは緑茶をすする。木ノ葉の団子はピカイチと聞いたことがあるが、せっかくだし食べてみるか。

「そんなこと言わず、食べてみてください。おいしいですよ」
「そうだな……」

　どんな高級な団子より、こっちの方が旨そうだ。差し出されるスプーンを無視し、ホタルの唇を舐める。

「―――！？」
「うん、確かに甘いな」
「ウ、ウタカタ様のはこっち……」
「もう一口食べたいんだか……」
「んっー！」


（み、みんなに見られます……）（見せつけてやれ）