シャイニー・アヴァンス
力強く抱きしめられて、ウタカタ様の匂いが鼻いっぱいに広がる。聞いたことのないくらい速い鼓動。伝わる緊張。「ウタカタ様……?」
名前を呼んでも抱きしめられるだけ。一体何があったの?聞いても返事は返ってこない。赤く染まった耳が、視界にはいる。
「ホタル……」
名前を呼ばれて、手のひらで頭を包まれた。優しく撫でられ、なお強く抱きしめられる。
「ホタル」
「はい」
「オレのこと、どう思ってる」
「大好きですよ。それと、尊敬してます」
「そうか」
なんだか急に、ウタカタ様の顔が見たくなった。体を動かそうともがいても、ウタカタ様がそれを許してはくれない。
「動くな」
頭を押さえられ、鼻がウタカタ様の肩にぶつかる。端っこに見えるのは相変わらず赤い耳。
「ホタル」
「はい……」
「……けっ、……ん……」
「え?」
「結婚……する、……か」