真っ赤に果実にセレナーデ

「好きだ」

 そう言えばホタルは体をぴくりと跳ねさせた。すぐ傍にある耳が赤い。さっきまで散々怒っていたくせに、今はこんなに大人しい。

「好きだ、ホタル」
「ウタカタさっ……」
「愛してる」

 恥ずかしさに耐えきれなかったのか、ホタルはオレの服を握りしめて俯いた。なんでこいつは、無意識にこんなそそる行動をするのか。

「好きだ」
「もう、やめて……」
「お前が言えって言ったんだろ?ホタル」

 「ウタカタ様は、私のことを好きって言ってくれない」可愛い不安を消すためにした行為。いつの間にか病みつきになっていた。どんどん赤くなっていくホタルが愛しい。

「ホタル、愛してる」

 ついにオレの胸に顔を押しつけたホタルは、負け。こんなことで恥ずかしがっていたら、今夜眠れないぞ?そう囁けば、ホタルはいよいよ立っていられなくなった。