かまってよ、マイダーリン!!

「ウタカタ様」

 青い背中に抱きついて、ぽふっていう音がした。こっちを向いてほしい。もっとかまってほしい。でもそんなこと言えなくて、私はただウタカタ様に抱きつくだけ。

「ウタカタ様、ウタカタさまー」
「なんだよ、ホタル」
「……なんでもないです」

 そんなに迷惑そうな顔しなくても。唇を尖らしてそっぽを向く。頬に感じるウタカタ様の温もりが、なんだか切ない。

「こんなに近くにいるのに」
「あ?」
「どうしてこんなにも寂しいんだろう」

 独り言のように呟いて、ウタカタ様から離れた。なんだか泣いちゃいそう。手を伸ばせばキスだってできるのに。

「ホタル、お前寂しかったのか?」
「そうですよ。師匠の鈍感」
「はっ……、悪い悪い。もっとかまってやるよ、ほら」

 ウタカタ様が笑いながら両手を広げた。ちょっと悔しいけど、ウタカタ様には敵わない。仔犬みたいにウタカタ様の胸に飛び込んで、首筋に頬擦りをする。

「ウタカタさーまっ」
「よしよし、可愛い可愛い」
「……なんか馬鹿にしてませんか?」
「んなことねぇよ。ホタル、お前は可愛い」