世間知らずの箱入り娘。抜け忍、人柱力、そして師匠殺しという二つ名。こいつはそのどれも、聞いたことがないだろう。それが幸い。こうして傷を癒す場所ができたわけだが。
「ウタカタ様!こんなところにいたんですね!」
ひょっこりと物陰から現れた姿に、自然とため息がでる。日課と言ってもいいこいつとのやり取り。今日もまた始まるのか。
「またお前か」
「お前じゃなくてホタルです。今日こそ修業をつけてもらいますからね!」
意気込む姿もいつものこと。こいつに諦めという文字はないらしい。もう1度ため息をついたあと、心底迷惑そうな表情を作ってホタルを見る。
「修業なら他をあたってくれ。師匠に相応しいやつは他にもいるだろう」
「私はウタカタ様の弟子になりたいんです!」
「勘弁してくれ。どうしてオレが弟子なんかとらなきゃいけないんだ」
微かに感じる苛々に、思い出したくない過去が蘇る。あの時の俺も、こんなに輝いた目で修業を乞うていたのか。――虫酸が走る。
「とにかく。オレは弟子なんてとらない。諦めろ」
「嫌です!ウタカタ様を師匠とお呼びする日まで、私は絶対に諦めません!」
ずいと詰め寄られ、思わずたじろぐ。怒りにまかせて突き放せばいいのに、こいつにはそれができない。何故だ?オレは弟子なんていらないし、師匠なんて言葉、2度と聞きたくないのに。
「ウタカタ様」
「っ……!何度言っても同じだ。オレは弟子なんてとらない!!」
荒げた声に身を翻し、少しでもホタルから離れようと足を進める。
頼むから、追いかけないでくれ。弟子なんていらない。オレには何もいらない。誰もオレの中に入ってくるな。
「ウタカタ様!待ってください!」
頼むから、ひとりにしてくれよ。
「ウタカタ様!こんなところにいたんですね!」
ひょっこりと物陰から現れた姿に、自然とため息がでる。日課と言ってもいいこいつとのやり取り。今日もまた始まるのか。
「またお前か」
「お前じゃなくてホタルです。今日こそ修業をつけてもらいますからね!」
意気込む姿もいつものこと。こいつに諦めという文字はないらしい。もう1度ため息をついたあと、心底迷惑そうな表情を作ってホタルを見る。
「修業なら他をあたってくれ。師匠に相応しいやつは他にもいるだろう」
「私はウタカタ様の弟子になりたいんです!」
「勘弁してくれ。どうしてオレが弟子なんかとらなきゃいけないんだ」
微かに感じる苛々に、思い出したくない過去が蘇る。あの時の俺も、こんなに輝いた目で修業を乞うていたのか。――虫酸が走る。
「とにかく。オレは弟子なんてとらない。諦めろ」
「嫌です!ウタカタ様を師匠とお呼びする日まで、私は絶対に諦めません!」
ずいと詰め寄られ、思わずたじろぐ。怒りにまかせて突き放せばいいのに、こいつにはそれができない。何故だ?オレは弟子なんていらないし、師匠なんて言葉、2度と聞きたくないのに。
「ウタカタ様」
「っ……!何度言っても同じだ。オレは弟子なんてとらない!!」
荒げた声に身を翻し、少しでもホタルから離れようと足を進める。
頼むから、追いかけないでくれ。弟子なんていらない。オレには何もいらない。誰もオレの中に入ってくるな。
「ウタカタ様!待ってください!」
頼むから、ひとりにしてくれよ。