貴方と私の2人旅
「ウタカタ師匠!今日の夕飯は何にしますか?」「ウタカタ師匠、こちらが今日のお昼になります」
「師匠の額あてが破れていたので、繕っておきました」
ホタルと旅をするようになって半月。師匠と呼べることが嬉しいのか、ホタルはことあるごとにオレを師匠と呼んでくる。楽しそうなその姿に、悪い気はしない。こうしてゆっくり風呂に入れるのも、ホタルのおかげだ。
「師匠、湯加減はどうですか?」
「ああ、問題ない」
扉ごしに聞こえる鼻歌に笑みがこぼれる。元気なこいつと一緒にいるのはいろいろ大変だが、こんな旅も悪くないな。
「ウタカタ師匠、お背中流してあげますね」
「ああ、頼……む!?」
なんとなく返事をしてしまったが、今、ホタルはなんて言った?眉間に皺を寄せてホタルを見れば、そこにはタオル1枚で立つ女の姿。
「おま……!なんて格好……っ」
「師匠の背中を流すのは弟子の仕事です!」
「だからって、性別ってものがあるだろう!」
オレの言っている意味がわからないのか、ホタルは首を傾げるだけ。どうするんだ。風呂から出るにも、オレはタオルなんて巻いていない。
「とりあえず、出ろ」
「どうしてですか?まだ私、何もしていな……」
「いいから!早く出ろ!!」
オレの剣幕にホタルは慌てて出ていった。ったく、少しはオレが男だってことを考えろ。無防備すぎるホタルにため息をつきながら湯船からあがり、扉を開けた。
「ウタカタ師匠、すみません忘れもっ……!?!?」
「ホ、ホタル!?」
「きゃー!!師匠の露出狂!!」