LOVE PULSATION

 心臓の音がドキドキ聞こえる。ウタカタ様のより私のが鼓動が速いのは、やっぱり恋をしているからかしら。

「おい、何やってんだ」

 はだけた胸に耳を押し当てていたら、上からウタカタ様の声が降ってきた。

「ウタカタ様の心臓の音が聞きたくて」
「心臓の音って……どう見ても誘ってるようにしか見えないぞ」

 眉を顰めたウタカタ様がそっぽを向いた。少し鼓動が速くなる。

「あ、ウタカタ様、ドキドキしてる」
「な……、んなわけねぇだろ」
「だって、ほら」

 ウタカタ様の胸にまた耳を押し当てれば、さっき聞いたのよりずっと速くなった鼓動が聞こえる。

「ウタカタ様も、誰かに恋をしているんですか?」
「……まあな」

 その相手は誰なんだろう?考えていたら、肩を抱かれて顔を胸に押し付けられた。

「ウタカタ様?」
「黙ってろ」
「でも……」
「いいから、このままでいろ」

 強引な口調と、私のに負けないくらいの鼓動。なんだかちょっと嬉しくなってウタカタ様に抱きついてみたら、2人の速さが一緒になった。