青い空、青い海、煌めく砂浜。これ以上はないほどのコンディションに、私の胸は期待に弾む。
 海で泳ぐのもいいけど、砂浜で貝殻を探すのもいい。ヤドカリやカニはいるかしら?海なんて何年振りだろう――

「――師匠?なに寝る準備に入ってるんですか?」

 ビーチパラソルの下、あまり似合っていないサングラスをかけながら、横になる師匠。まさかこんなところに来てまでお昼寝?そんなの許さないんだから。

「起きてください!せっかく海に来たのに、もったいないですよ!」
「うるさいな……、オレは暑いのは苦手なんだ」

 サングラスを少しずらし、心底迷惑そうな顔で言われる。そんなこと、今更言われなくてもわかってる。でも、つまらないじゃない。師匠はすぐそこにいるのに、1人で水遊びだなんて。

「この水着だって、せっかく新しく買ったんですよ?」
「ああ、よく似合ってる」
「お世辞はいりませんっ」
「お世辞じゃない。だから、オレ以外の男にそんな格好を見せるな。お前はここにいればいい」

 さらりとそう言われて、私の頬はみるみる赤く染まる。1人で照れるのは恥ずかしいから、そのサングラス、剥ぎ取ってあげようかしら。