「どこにも行くな。オレから離れるな。お前はオレの傍にいろ」

 耳元で聞こえた言葉に、息が止まる。胸の前で交差された腕は震えていた。

「ホタルを失うのが、怖い」

 絞り出すようなウタカタ様の声に、息を呑み込む。時間が止まればいいと思った。このまま、ウタカタ様に抱きしめられたまま、消えていきたかった。

「ウタカタ、さま」

 でも、もう叶わない。 震える腕に両手を添えて、そっと目を閉じる。
 堕ちるなら、どこまでも一緒に。